第8回韓・日新石器時代共同學術大會

『韓・日新石器時代漁撈海洋文化』

 

 

 

日時:2009年7月18日(土)~7月19日(日)

場所:木浦大學校博物館セミナー室

主管:木浦大學校博物館,韓國新石器學會

主催:韓國新石器學會,九州縄文研究會

 

 

 

 

第8回國際學術大會を開催するにあたって

申淑静(韓国新石器学会会長)

 

 みなさんこんにちは、私は2008年から韓国新石器学会の会長をしております漢江文化財研院院長の申淑静ともうします。

 今年の夏もいつものように韓日新石器学会が開催されることとなリました。今回の学会は第8回目で、主題は「韓・日新石器時代の漁撈と海洋文化」であります。このテーマはとても時宜にかなった題目だと思います。韓日両国の新石器時代において「漁撈」こそが、最も主だった生業の一つであリ、そのことを通して両地域の交流が活発に行われたということは周知の事実であります。しかし、その重要性と比べますとこれまでの研究の進展はそれほどではなかったのではないかと思われます。今回の学術大会を通して韓日両国の漁撈文化、海洋文化について多くの知識を得るとともに新たな視覚を持てるようになることを望んでおリます。そのためには発表される研究者だけでなく、学会に参加された全ての方々の関心と活発な討論を期得するものであります。

 第8回大会までにかかった時問は16年、法して短くはない歳月であったと思います。この様な歴史を積み重ねて来るまでには、たくさんの先生方と先輩、そして同学の皆さんの苦方が多々ございました。その点に深い感謝を申し上げる次第です。あと2回の学術大会を経験しますと韓日新石器学会も成人となります。もう今から、韓日両国に共通する関心を惹き起こせるだけの主題を選定するのに少々悩まされることとなるような予感がしておりますが、様々な主題の開発と研究の探化を行いつつ成人式を迎え、今後は交流の領域がロシアや中国東北地域にまで広がる、より成熟した壮年となる日のことを想像しております。

 今回の学会の開催にあたっても感謝を申し上げる方々がとても多くいらっしゃいます。何よりも真夏の暑い時期に一番遠くから来ていただきました宮本一夫会長をはじめ、九州繩文糾究会の皆様、そして韓国側研究者の皆様と関係者の方々に感謝いたします。また、主題発表と翻訳・通訳を引き受けてくださいました全ての先生方にも深く感謝いたします。そして、この学会を木浦大学校で開催できるようご許可いたたきました木浦大学校総長と博物館長の崔盛洛教授に感謝いたします。

 韓日新石器学会の今後のさらなる発展を祈念しつつ。

 

 

開催にあたって

宮本一夫(九州縄文研究会会長)

 

 九州縄文研究会と韓国新石器学会との合同研究会が、この度、第8回を迎えることとなりました。2年に一度の合同での開催、そして毎回7月20日前後に開催するといったことが定着化してまいりました。何よりも、日韓両国の研究者が共同して開催する合同研究会が、定期的に開催されていることを嬉しく思います。

 これまでこの合同研究会では、九州と韓国南海岸で発見される両地域の新石器時代土器をお互いに確認し合うことから始まり、先史社会の交流を考えてまいりました。その後、石器の交流や石材の流通、貝塚と動物遣存体、農料の諸間題、集落の比較研究など、両地域に共通した問題を協力して考えて参りました。この度は、漁労具の比較研究から、両地域の先史漁労の交流関係を、さらには環渤海湾あるいは環東シナ海を巡る先史社会の交流関係を探ることになリます。そして研究発表や討論を通じて、この合同学会が参加者にとって稔りあるものとなることを期待するところであリます。

  最後に、合同研究会開催地を提供して頂いた崔盛洛館長を始めとする木浦大学校博物館の皆さん、さらには本大会を連営して頂いておリます申淑静会長を始めとする韓国新石噐学会の皆さんに、深く感謝を申し上げたく存じます。そして本合同研究会が、両国の研究者にとって良き交流の場となるとともに、東北アジアの新石器時代研究にとって意義深いものとなることを願っております。

 

 

7月18日(土)

通譯:金姓旭(東國大博物館)、田中聰ー(壱岐市教育委員会)

 

<主題発表>

 

第1主題:「海峡を廻る新石器時代漁民」  金建洙(木浦大学校)

第2主題:「東北アジア先史漁撈民と農耕」 甲元眞之(熊本大学)

第3主題:「新石器時代潜水漁撈検討」   李永徳(湖南文化財研究院)

第4主題:「九州地方の繩文時代漁撈具」  中尾篤志(長崎県教育委員会)

第5主題:「韓半島南部地方新石器文化」  崔鐘赫(慶南文化財研究院)

 

第6主題:「海産物の流通および交流研究への新しい視覚」 石丸恵利子(総合地球環境学研究所)

 

 

<遺跡事例発表>

「仁川中山洞遺跡発掘調査成果報告」     楊仁喆・趙勲熙(漢江文化財研究院)

「宮崎県清武上猪ノ原遺跡第5地区の調査成果」 秋成雅博(清武町教育委員会)

「東海岸鰲山里C地区最下層遺蹟の調査成果」  高東淳(濊貊文化財研究院)

「熊本県轟貝塚・曽畑貝塚の調査」      藤本貴仁(熊本県宇土市役所)

 

 

7月19日(日)

<遺跡踏査および遺物見學>

・木浦大學校博物館 麗瑞島貝塚遺物

・光州平洞遺跡 和順支石墓公園