第26回九州縄文研究会熊本大会 開催要項

 

1. 期 日:平成282016)年35日(土)・6日(日)

2.会 場:熊本大学 文学部  (熊本市中央区黒髪2丁目391)     

3.テーマ:九州縄文貝塚の現状と課題2

4.趣 旨:九州縄文時代研究において、貝塚の調査研究は最も初期から行われてきており、重要な

学史上の貝塚も多い。ただし、貝塚研究は古くに行われたものも多く、現状では正確な位置や時期

 が不明になっているものも少なくない。このことから、2001年第11回熊本大会では「九州の貝塚」

と題して貝塚の集成を行い、研究の現状を把握する作業を行った。

この大会以降の調査に目を向けると、熊本県轟貝塚では再確認調査の結果、貝塚形成時期の中心

が轟式土器の時代ではなく、縄文時代後期あることなどが明らかになりつつある。また、熊本県御

領貝塚では大規模な貝塚が形成されながら、周辺に同時期の遺跡・遺構が存在しない点や、シェル

マウンドから貝が流出するなどの保存管理上の問題が指摘されている。

さらに佐賀県東名貝塚などでは、これまで想定されていなかった立地から大規模な貝層の広がり

と、貝塚と周辺遺構・遺跡を見ることができるようになってきたところも存在する。研究面では、

貝塚間の距離から集落構造を見る研究など、貝塚単体だけを見るのではなく、周辺遺跡・遺構との

関連を考える必要が生じてきた。

以上のような調査・研究の進展を受けて、今回大会では、以下の3点の視点をもって再度貝塚を

取り上げてみたい。

①今一度貝塚の正確な位置・立地、貝層の広がりや厚さを確認したうえで、貝層ごとの出土遺物を

抽出し、正確な時期を読み取ることで貝塚の類型化を進める。

②貝塚周辺の同時代遺跡(特に集落・墓・貯蔵穴、ほかの貝塚など)との関連性を問う。

③貝塚の保存・整備方法、管理状況などは、そのデリケートな遺構・遺物の性格からさまざまな課

題が見られる。そこで、貝塚の現状を確認し、保存の課題を確認したい。

5.主 催  九州縄文研究会

6.日 程

1日目:3月5日(土)

受付 1230

【開会行事】

13:0013:10 開会あいさつ 宮本一夫(九州縄文研究会会長)

【記念講演】

13:1013:50 「九州における縄文時代の領域と貝塚形成について」山崎 純男

【研究発表:各方面から見た貝塚研究の現状と課題】

14:0014:10 本大会の趣旨説明

14:1014:40 「宇土市轟貝塚の調査成果」芥川 博士(宇土市教育委員会)

(質疑応答)14:4014:50

(休 憩) 14:5015:00

15:0015:30 「佐賀市東名遺跡の調査成果」西田 巌(佐賀市教育委員会)

(質疑応答)15:3015:40

15:4016:10 「熊本市御領貝塚・阿高貝塚の調査と保存の現状と課題」師富 国博(熊本市役所)

(質疑応答) 16101620

【九州・沖縄各県における貝塚研究の現状と課題】

16201730(各県10分程度)各県資料集成者

(各県毎に報告)

【閉会行事】

17:3017:40 閉会あいさつ 宮本一夫(九州縄文研究会会長)

 

【情報交換会】(19002100) 場所:未定(熊本市内中心部を予定)

 

2日目:3月6日(日) 現地見学・遺物実見

8:30~ 集合 熊本大学

9:00~ 出発

    バス移動(バスを用意しています。一部現地は駐車場が無いため、マイカーはご遠慮ください。)

    熊本市塚原歴史民俗資料館 阿高貝塚出土小林コレクション遺物実見

    バス移動

    阿高貝塚現地見学・御領貝塚現地見学

    バス移動

    轟貝塚現地見学・貝塚出土土器実見

 

12:30  熊本大学到着・解散 (解散時間がずれ込む可能性があります)